2011.09.25

小さな村の小さなダンサー

中国の田舎の村に、英才教育を受けさせる子どもを選びに役人がやってきた。
選ばれたリーは北京で柔軟のテストを受け、芸術学校に入れさせられる。
バレエの特訓を受け、やがてアメリカでのバレエ研修生として選ばれ、渡米する。

バレエの世界には疎いもので、これが実話だとは知らなかった。
中国とアメリカの間の話だが、オーストラリア映画。
彼がオーストラリアに移住してから書かれた小説がベースだからだ。

北京での修行は、バレエの楽しみも教えられることなく、ただ型を叩き込まれるだけ。
それでも毎日スパルタ教育を受けていれば上手くなるもので、政府の役人を前に演じたりする。

でもそれが、銃を持って戦う姿を表現させられるなど、バレエの美しさとはかけはなれたもの。
政府を称賛する内容ばかり押し付けられていて、北朝鮮のようなイメージであった。

そこから自由の国アメリカに行くのだから、カルチャーショックは大きかっただろう。
家族や国を背負っているリーにとって、発言を制限されることもなく、
芸術的なバレエに邁進できる環境はさぞ楽しかったことだろう。

芸術の世界では認められ、ソロで躍らせてもらうようになったが、それでも中国は中国。
アメリカの自由さに染まらないようにと強硬な態度を崩さない。
国の政策に苦しめられる。

バレエを愛する気持ちはあっても、そのベースには家族のためという想いが強かったはず。
だから中国の取った冷徹な態度に、中国のことを嫌いになった。

それがあったからこそ、ラストには感動した。

中国も変わっているのだ。

小さな村の小さなダンサー
監督:ブルース・ベレスフォード
出演者:ツァオ・チー、 ブルース・グリーンウッド、 アマンダ・シュル、 ジョアン・チェン
収録時間:117分
レンタル開始日:2011-07-08



2011.09.25, 08:36 / ☆☆☆☆☆
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