アイ・アム・デビッド
収容所からの脱走少年デビッドの話
最初に文章で少し時代の説明があっただけで
いきなり話はわけわからない展開を始める
なぜ脱走できたのかわからないし
何が目的なのかわからないし
でも徐々に世界に触れる中で
デビッドが過去を振り返っていき
徐々に謎が解けていく
心を閉ざした少年の少々緊迫した脱走が淡々と続くが
目的地へ向かう過程には出会いがあり
優しい人々の温かいもてなしに触れ
完全には信じられないながらも
少しずつ心が変化していく
その過程は、とても応援したくなる
淡々と進むことが、心の動きをなくした少年と重なる
☆4つの気分で見ていたのだが
絵描きのおばあさんと出会ってから
感動がいくつもおそってきて、、、、
最後には観てよかったと思った。
禁じられた遊び
戦争で、両親を一瞬にして、すぐ隣で亡くした幼いポーレット。
最初は死の意味なんてわかってないかと思った。
しかしそうではなくて、死が身近すぎたのだろう。
ミシェルという少年の家に拾われてから、
身近にあふれている死に対して、
弔うということ、祈りを捧げるということを知り、
二人の秘密として、死んだ動物たちにお墓を作り、
十字架を盗んでまで集めてくる。。
二人の秘密・・・
それ以外に後ろめたい気持ちはなかったんじゃないか。
十字架を捧げたお墓を作ってあげること、
それが悪いことだなんて思ってないんじゃないか。
でも、二人の秘密に対する気持ちが強すぎて、
悪いことだとわかってる”盗み”に動いてしまったんじゃないか。
何が悪くて何が悪くないのか、わからなくなる。
いや、わかってるんだけど、どうしようもない、というべきか。
最後はポーレットは孤児院へ連れて行かれ、ミシェルと別れる。
二人の秘密は、共有できぬまま。。
ミシェルしか知らないポーレットは、また独りで、彷徨い始める。
そんなラストシーンは、どうしようもなく、やり場のないこの感情を
そのまま表わしているよう。
見終わってしばらく余韻が残る。
激しい映画でも、感動映画でもないと思うけど、
どうしようもない感情が、たくさん動いている。
フィラメント デラックス版
辻仁成が監督。
虚しさ全開の青春。
家族が崩壊しているからキレる?
母親が家出しても、父親が変態でも、
きっとそんなことは本当の理由じゃなくて、
たぶんそんなことよりは
愛しちゃいけない人を愛しちゃったってことのほうが
理由としては強いんだろうけど。。
虚しさと、それに対する
どこに向けたらいいかわからない怒り。
それはとってもよく伝わってきた。
マジであの不良にむかついたくらい、
若者の無駄な自己顕示欲はよくわかった。
キレる若者像。
そんなもんプラスの感情ではないけれど、
昭和の香りのする虚しい青春として
そんなに悪いものでもないかな。
NANA -ナナ-
二人の『ナナ』のいろいろ。
ボーカルのナナと、男を追いかけて上京した奈々。
青臭くて、若くて、幼くて、
現実味があるんだかないんだか。。女子校のノリかな。
奈々はホントどうしようもなくて
友達になればなったでいいんだけど、
付き合うとか同居とかはしないほうが身のためな気がする。。
ナナはどうもぎこちなくて、
それよりも身体があまりに細いことが気になって。。
とても共感はできるのだけど、単純にカッコいい!って思えない。
好きだなんて言葉、簡単に口にできるほど単純な想いなら・・
みたいな奈々の台詞は、ちょっとズシッと来た。
そういうところがナナと奈々の対比なんだな。
流行りっぷりからして期待しすぎていたせいか
思っていたよりも、おもしろいものではなかった。
歌ってるときのNANAはカッコいいね。
ステイン・アライヴ
『サタデー・ナイト・フィーバー』の続編
ジョン・トラボルタのダンスはやっぱりキレがあって
楽しそうで自信がありそうで、良いね
二股が怖くて・・
最後のステージでもいつやらかすか
ずっとドキドキしていたけど
イイ感じに終わってくれてホッとした。。
夢中になれて、それで成功して、
この古臭い感じがアメリカンドリームを
そのまま描いているようで、
そんな時代を知らないくせに懐かしく思った。
パッチ・アダムス コレクターズ・エディション
名誉やお金ではなく、ただ他人の役に立ちたいと願う
医学生パッチ・アダムス。
実在の人物をモデルにした映画である。
医療は、どうやって死を迎えるかよりも
生の質を高めることである。
その信念をもとに、病棟の子供たちを笑わせ、
患者さんたちを名前で呼び、老いた方々の夢を叶えてみる。
堅物な医師からしてみれば破天荒な学生なわけで
しかも患者さんたちの人気者だから
余計につまみ出したくなる。
しかも勉強してないように見えて、成績トップだし。
ルールを無視して、患者さんの願いを叶えようとする。
ルールを無視して、患者さんに笑いを与えようとする。
苦労しているところを他人に見せずに、
さらっと成績トップ取っちゃったりする。医学の知識はあるわけ。
・・・いいやつじゃん。
簡単に、いい医者じゃん、とは言えないかもしれない。
でも「いい医者」の要素として、
こういう人間くさい部分がたくさんあったら
それはそれで素敵なことじゃないか。
実在の人物がモデル、しかも特典映像に出てくる、
ということで、嘘くさい話も真実と思って入っていける。
映画より本人のほうが見た目は奇抜・・・。
アメリカン・ビューティー
見たのが2回目だった
前にテレビで見たのかなぁ
2回目でも最後まで飽きずに見た
関係がうまくいってないアメリカの家族の物語
変に個性的な家族とその恋人と・・と思っていたが
そんなに個性的でもなくて普通なのかもしれない
娘と同じ年代の子を好きになってしまったり
不倫、同性愛、ストーカー、いろいろあるけど
全部まとめてサラっと見たら
どれも特別に大きな問題でもないように見えてきた
結末も、アメリカならありえそうだし、
最近の日本でも充分ありそうだし
変なんだけど、普通なのかな
そういう社会がアメリカンビューティ?
んなわけないか
アルフィー スペシャル・コレクターズ・エディション
もてる男、アルフィーの人生
楽しいことばかり・・・かどうか?
アルフィーが内心をカメラに話しながら
軽いノリで進んでいく、人生。
独身を貫きたいアルフィーが
ちょっとだけマジメに人生を考える。
遊びの関係、遊び仲間は、やがて身を固め、
残されたアルフィーは・・。
望むものが簡単に手に入ってしまうと
物事を深く考えなくなっちゃうのかな。
やっと子どもがオトナになるとき。
そんな映画である。