2006.04.22
禁じられた遊び
戦争で、両親を一瞬にして、すぐ隣で亡くした幼いポーレット。
最初は死の意味なんてわかってないかと思った。
しかしそうではなくて、死が身近すぎたのだろう。
ミシェルという少年の家に拾われてから、
身近にあふれている死に対して、
弔うということ、祈りを捧げるということを知り、
二人の秘密として、死んだ動物たちにお墓を作り、
十字架を盗んでまで集めてくる。。
二人の秘密・・・
それ以外に後ろめたい気持ちはなかったんじゃないか。
十字架を捧げたお墓を作ってあげること、
それが悪いことだなんて思ってないんじゃないか。
でも、二人の秘密に対する気持ちが強すぎて、
悪いことだとわかってる”盗み”に動いてしまったんじゃないか。
何が悪くて何が悪くないのか、わからなくなる。
いや、わかってるんだけど、どうしようもない、というべきか。
最後はポーレットは孤児院へ連れて行かれ、ミシェルと別れる。
二人の秘密は、共有できぬまま。。
ミシェルしか知らないポーレットは、また独りで、彷徨い始める。
そんなラストシーンは、どうしようもなく、やり場のないこの感情を
そのまま表わしているよう。
見終わってしばらく余韻が残る。
激しい映画でも、感動映画でもないと思うけど、
どうしようもない感情が、たくさん動いている。