台風近づく
朝は意外と晴れていた。
石垣への飛行機は夕方、台風が来る時間、なので、国際通り、公設市場をうろつく。
ちょっと早めのお昼を市場にて。
魚屋の兄ちゃんに誘われるまま、魚を食べることに。
刺身、あら汁、バター焼き。相席の兄ちゃんと話しながら、お昼から豪勢に食べてしまった。
彼は初沖縄だそうだ。
まだ時間はたっぷりあったので、焼き物展なぞ見ていたら、雨が降りだした。
外は滝のような雨。
ヤバいなぁと思いつつ、国際通りまで戻ると、快晴。
台風が近づいていることは確かだ。
不運は慣れてるさ
はい、飛べませんでした。
いや、飛んだけど着陸できませんでした。
1つ前までは行けてて、1つ後ろからは欠航が決まってたので、絶妙の不運さ。
飛行機は明後日に予約を取り直して、明日また那覇。どこ行こうかなぁ。
今まだ那覇は晴れてる。明日の天気は知らん。
タクシーの運ちゃん曰く、人間ドック学会があるそうで、この週末は那覇のホテルが埋まってるらしい。
確かにホテルは取れず、結局思いついたのが、晴海荘。
ムリに部屋を空けてくれたみたいで、、感謝。
ここのおばちゃん、相変わらず何言ってるのか、あまり聞き取れないけど(笑)
襲来
台風来たよ~。
朝から風は強かったけど、ついさっき、横殴りの雨が降りだした。
樹々もワッサワッサしてる。
午前は首里城をゆっくりまわってたけど、午後をどう過ごそうか、まだ考え中。
台風の過ごし方がわからん
もはや吹き飛ばされそうなほどの強風。
風圧で折りたたみ傘が曲がったから、傘は諦めた。
あまりに暇で、映画を見たいなぁと思い、新都心と呼ばれるところに来た。
観光の色は一切なく、きっと地元の若者が遊ぶ場所だろう。
人間ドック学会もここみたいだが…。
パイレーツ・オブ・カリビアンを見て、ドリカム中村さんのトークステージを覗いて、夕方。
もう出歩きたくない荒天なので、観光風情のない駅隣のビルで食事。
さすがに観光客っぽいのはいない。デートばっか。
この台風、明朝には通り過ぎててくれるだろうか。
爪痕
石垣島に着いた。
まだ雲は厚く、小雨がぱらついている。
街路樹がバタバタと倒れていて、台風の脅威を感じる。
ここまでの直撃は10年ぶりらしい。
停電もまだ4分の1しか復旧してないそうだ。
竹富島は
今まだ、竹富島は停電・断水から復旧してない。
依然として厚い雲に覆われ、雨が降ったり止んだりを繰り返している。
というわけで、シャワーも出ないけど、泊めてくれるって。
島中が片付けに大忙し。
邪魔しないように外を散歩していたら、2時間ほどで行き尽した。
もう地図なしで、どこへでも行ける。
行き尽したから、2度目のビーチに、今、向かってる。
たぶんまだ強風が吹き荒れているだろうし、泳ぎたいほど暑くないのだが。。
今日もまた青空を見られそうにない。
酒盛荘
台風被害からの復旧で迷惑になるようなら、
竹富に宿泊はやめようかな、なんて思ってた。
停電・断水だったし。
でも、私のために部屋が用意され、夕食の準備が進められ、
他にも宿泊者がいる、と知って、おとなしく泊めてもらうことにした。
そして、この旅で、今のところいちばん楽しい時間を過ごすことができた。
台風の被害を知ってて宿泊した物好きは、私を含めて4名。
うち2人が常連のおっちゃんで、あと1人は竹富島に1週間滞在の青年。
まず、竹富島は滞在する場所なんだということに驚いた。
夕食の時に初めて彼等の顔を見たのだが、そのときはあまり言葉を交わさなかった。
宿の人か客か、疑問だったから。。あとこの3人がグループかどうかも読めなかった。
停電のためランタンに灯を入れ、薄暗い食事だったため、そっちに気をとられていた。
しかし、食べ終わる頃、常連さんの1人が外で飲もうと誘ってくれ、
カロリー制限な常連さんを除いて、酒盛り開始♪
と言っても、青年は昨日飲みすぎたとかで、あまり飲んでなかったが…。
ランタンの灯りの下で、竹富周辺の釣りの話なんか聞いたりしながら、ウコン割りの泡盛を飲む。
その間にも、近所の人がロウソクを買いに来たり、ビールを買いに来たり、
そういう近所との密な関係が新鮮だった。
風で倒れた自動販売機を、客も含めて皆で起こしたりもした。
そのとき私は懐中電灯の発電係。
宿のおばあちゃんにボードゲームを教わったり、
足の裏に釘で怪我をしたおじいちゃんの治療をしたり、
いろいろしながら、台風被害のスゴさを聞いた。
風速70m近くあったらしく、貯水タンクも飛んだそうだ。
そんな中、部屋の蛍光灯がパッとついた!
ついた!って皆が叫んで、拍手した。
宿の人は友達に電話したり、近所からは喜びを分かち合う人が来たり、、、
なんか、良かった。
それからも近所の人を交えた飲み会は続き、酒、釣り、台風の話に交じる。
23時の門限で、お開き。
酒飲みと認定された私は、1日しか滞在しないことを悔やまれた。。
いやぁ、竹富島、良いとこっすよ。
観光業復活
朝食をいただいてから、また島をうろついた。
曇りではあるが、時折、陽が射す。
ビーチは干潮のため、殺風景。
だが、風がないので、居やすい。
集落には観光業が戻ってきていた。
昨日は片付けで手一杯だったようだが、最低限の片付けは終えたのかな。
昨日は寝ていた水牛も、今日はモーモー頑張ってた。
忙しそうだから、港までの送迎を断り、歩いて行くと言うと、助かるわ~とのこと。
竹富島、また晴れたときに来よう。
また旅が終わる
台風13号に会う(遭う)ことがメインとなった沖縄の旅が終わる。
台風が沖縄に向かっていることは知っていたし、知ったうえで敢えて来たのだ。
もちろん当初の予定は台風じゃない。
離島でノンビリとシュノーケルすることだった。
結局1度もできなかったけど。。
綺麗な景色を綺麗なまま見る、それも魅力だけど、
それだけならばせっかく現地に足を運ぶのに、勿体ない。
航空券の半額を返金してもらうのと、現地の人々の暮らしの実態に触れること、
天秤にかけたら、後者が勝った。
いちばん心に残ったのは、竹富島での24時間。
観光客としてではなく、実際の暮らしを見ることができた。
「こんなときなのに来てくれて、ありがたいねぇ。」
「あんまり相手できないけど、いい?」
「今度はもっと良い天気のときに来なよ。」
「今度は台風じゃないときに来ます(笑)」
天気こそ最悪だったけど、数十年ぶりの大災害。
宿泊客同士、めったにない経験だよね~、なんて前向きに酒を飲んでいた。
那覇直撃は10年ぶり?石垣島のこの被害の大きさも10数年ぶり?
竹富島にこの規模の台風が来たのは昭和63年以来?おじいちゃんは50年ぶりって言ってたな。
とにかく島人もびっくりの台風だった。
撮った写真は被災地レポートのようだし、
いちばんたくさん青空を見たのは飛行機の窓。
灰色の厚い雲に覆われた空、天気に関係なく透明な海、
ところどころが崩れた有名な石垣、崩れた赤い屋根瓦、折れたバナナの木。
それが私の見た竹富島。
ガイドブックには載ってない。
ニュースにもならない。
暗い部屋でランタンの灯りで食事をし、薄暗い外で酒を飲み、
雨が降ればまた皆がランタンの下に蛾のように集まる。
それが内盛荘、前半。
電気が復旧し、遅くまで復旧工事をしてくれた誰かや、
いろいろな文明の利器に感謝しながら、蛍光灯の下に集まっていた。
それが内盛荘、後半。
たった1日しかいなかったけど、
台風13号に会い(遭い)に来た形となった今回の旅を、とても濃いものにまとめてくれた。
でも、
やっぱり青空のときに来たい!
台風体験は何度もするもんじゃない!
また来るぞ。絶対。
今回はそんな思い出を総括して、お土産は泡盛とおつまみ。
少ししかないけど、欲しい人はうちに来てね。一緒に飲みましょう。
あと半日で休暇終了だ。。