2011.04.24

扉をたたく人

妻に先立たれ、大学教授としても惰性で講義を持つだけのウォルター。
学生が行けなくなった論文発表のために、久しぶりにニューヨークの別宅に帰ったら、
見知らぬ若いカップルが勝手に住んでいた。

シリア出身のタレクと、セネガル出身のゼイナブ。
この二人も友だちに騙されて住んでいた様子で、可哀そうに思ったウォルターは、
次の家が見つかるまでは・・・と許し、同居生活となった。

タレクは、アフリカの打楽器ジャンベの奏者。
ウォルターにも楽器を教えてあげたりして、交友を深めていった。

地下鉄の改札でちょっとひっかかっただけで、タレクは拘束されてしまった。
そこで、二人が不法滞在していることがわかる。

ということで、移民に対する厳しい態度を描いた映画。

国に帰すなり、滞在を許可するなり、いずれにせよ手続きをしてくれればいいのに、
拘置所に入れたまま聞く耳を持たず、移送を繰り返すだけ。

力に屈するしかない非力な人々が虚しい。
しかも、それに慣れてしまっている彼らが切ない。

頑固爺だったウォルターも、寂しがりで優しい面ばかり見える。
彼らの現実に接していくうちに、見せかけでしかない自分の生活がイヤになっていく。
忙しいそうに振る舞っているやつは、ホントは忙しくない。

そちらの心の変化もしみじみとくる。

扉をたたく人
監督:トム・マッカーシー
出演者:リチャード・ジェンキンス、 ヒアム・アッバス、 ハーズ・スレイマン、 ダナイ・グリラ
収録時間:104分
レンタル開始日:2009-11-06



2011.04.24, 11:57 / ☆☆☆☆
扉をたたく人 はコメントを受け付けていません

Comments are closed.