2010.07.10

縞模様のパジャマの少年

ナチス将校の父の転勤により、ベルリンから田舎へ引っ越す。
そこは学校もなく、あるのはユダヤ人の収容所だけ。
しかもそのことは家族にも内密にされていた。
 
タイトルの通り、少年たちの心の交流の物語である。
しかし、それだけでは終わらなかった。

というか、それはメインではなかった。

ブルーノくんは引越しで友だちとも別れ、遊び相手がいない。
行ってはいけないと言われた裏庭にこっそり出かける。

ユダヤ人の収容所を農場だと思って近づき、
鉄条網越しに少年と会話し、仲良くなる。

ユダヤ人がどういう扱いを受けているか、全く知らない。
偏見なんて何もなく、
番号がつけられた服をゲームのユニフォームと思い込む。

洗脳をされなければ、それが当たり前なのだ。

将校も姉も、「教育」されてユダヤ人を敵視するが、
実際にユダヤ人に接するブルーノにとっては、
教育の内容が理解できない。

そう、差別なんて洗脳から始まる。

ブルーノがユダヤ人のシュムール君と仲良くなっていくのと同時に、
母が収容所で行われている真実を知って取り乱していき、
家庭は崩壊寸前となる。

仲良くなっちゃったら別れがツライよーとか思って見てたら、
それ以上のことがあった。。

ツライ。

けど、大量虐殺は、こういうものである。

罪の無い人を殺しているということを、身を持って知ってしまうのだ。


2010.07.10, 16:37 / ☆☆☆☆
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