ちいさな哲学者たち
フランスの幼稚園で試験的に行われた哲学の授業。
子どもたちの変化していく過程を映しだすドキュメンタリー。
純粋に、子育てはこうありたいと思う。
3歳の子どもに何を考えているのか問いかけても、
当然だが、自分の言いたいことが言葉にならない子がほとんど。
でも、発言があると何故?と問い、正解を示したりはしない。
それを繰り返して、徐々にテーマに沿った発言が増え、中身も濃くなっていく。
先生の発言でもあったが、子どもに先入観がないのがいい。
親が言ったことや友だちが言ったことが元になっていることはあるけど、
それはどれも身近な話題で体験していることであり、
発言だけではなくてそのときの態度なども加味されて、自身の考えになっている。
大人が同じテーマで考えを話すことをしたら、
統計の上では・・・、論文の説では・・・、医学的に・・・、法律的に・・・など、
自らが体験していないことを元にした話になってしまうことが予想される。
それにしても子どもたちが可愛い。
発言から、こういう親なんだろうなっていう想像がつくのもおもしろい。
ますます子どもの前での態度に気をつけなければと思う。
フランスなので、人種の問題や、結婚・事実婚のような問題もテーマになる。
子どもたちも白人、黒人、アジア系など様々だし、親が結婚してなかったりもする。
神様や死後の世界なんていう、教育上あまり触れられないであろう宗教感も話題に上る。
フランスに比べると、これらの点では日本はかなり均質。
各々の考え方の違いを話し合うというのも、もしかしたら難しいのかなとも思った。
大多数 vs 1人という構図が容易に浮かぶ。
そのような場で、考え方が違うのは当然だという意識はどうやったら身につくのだろう。