2011.05.22

マイネーム・イズ・ハーン

イスラム教のインド人リズワン・ハーンは、アスペルガー症候群。
弟がアメリカで成功を収めていたため、母の死後、アメリカに渡って生活を始める。
仕事先の美容室で、ヒンズー教のインド人マンディラに恋をし、やがて結婚する。
しかし、9.11以降、イスラム教徒に対する強烈な差別が始まり、全てが変わってしまった。

見る前の期待を大きく超えて、壮大な映画だった。

これがアメリカが制作したものだったら嫌味だと思うが、インドが作ったもの。
しかも、インド映画特有の歌とダンスを完全に封印し、想いを伝えることに専念した映画だ。

・ アスペルガー症候群
・ イスラム教 vs. ヒンズー教
・ アメリカ vs. イスラム教

差別と偏見に立ち向かう姿を描いている。
しかし、戦うのではない。
自らの行いで乗り越えていくのだ。

ハーンは一度聞いたことはしっかり覚えて実践できる。
母が、人間には良い人と悪い人の2種類がいるだけで他に違いはない、と教えたことで、
ハーンは、宗教に関する偏見もなく、誠実に良い行いだけをするようになった。

マンディラも、ハーンと同じように心の素直な人で、
アスペルガー症候群に対する偏見もなく、イスラム教の彼のことも自然と受け入れていた。

そんな素直な、どう考えても善人な彼らが、
9.11以降ハーンという姓のせいで地獄の苦しみを味わうことになるのである。

マンディラから言われた一言をただ実践するためだけに、ハーンは動き出し、
その彼の行動力が実を結んでいくのだが、その過程もいい。

前半はアスペルガー症候群がテーマで、後半はイスラム教差別がテーマである。

どうしようもないことに対して屈せずに進んでいく強さがある。
すごい悔しい思いがずっと流れているが、ハーンの行動から前向きな気持ちをもらえる。

マイネーム・イズ・ハーン
監督:カラン・ジョーハル
出演者:シャー・ルク・カーン、 カージョル、 ジェニファー・エコルス
収録時間:162分
レンタル開始日:2010-09-22



2011.05.22, 08:09 / ☆☆☆☆☆
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