2009.11.01
グラン・トリノ
妻に先立たれ、その偏屈さゆえに家族にはうざがられ、
孤独な生活を送っている老人ウォルト。
隣に住むモン族のことは蔑視してるが、事件をきっかけに交流が始まる。
他人に心を開こうとしないし、
アジア人のことはイエローと呼んで差別してるけど、
本当は人間と関わっていたいんだろう、イザコザには首を突っ込む。
普通の生活の中に、旅に出たときのような異文化交流があり、
自分の家族よりも自分のことをわかってくれる人々がいた。
やっぱり人間というもの、
自分をわかってもらえると、心を開けるものである。
どっちが先に相手を理解するか、心を開くか、というだけのこと。
タオ君との交流も、父子のようで、友達のようでもあり、単なる隣人ではない。
どっちも人との交流が苦手で、意地っ張りなとこが似てるのかも。
そんな不器用な二人だから、
モン族のギャング達との争いは、ハラハラする。
最後の戦いは、ウォルトが冷静に考えろ、と言ってた意味が、
ものすごくよくわかった。
とても頭のいい作戦で他にベストな方法を考えろと言われても思いつかない。
だから、この不器用なウォルト爺さんが、カッコよかった。
自分の心の重荷を晴らせたんじゃなかろうか。
ちなみに、タイトルのグラントリノは車らしい。
ヴィンテージカー。
特典映像は、男が車に求めるものについて。
自分を表現するために、車を選ぶわけだ。
そう考えると、ウォルトはヴィンテージカーな存在であり、
最後まで渋くキメたなと、ジワジワくる。
車、なるほどね。