2007.05.07

クラッシュ

アメリカにおける人種差別による衝突を描いた群像ドラマ。

いくつものストーリーが混じっているから
誰が誰だったかわからなくなってくるけど、
白人が黒人を陵辱し、黒人が黒人を襲い、白人同士でいがみ合い、
アジア人も、ユダヤ人も、何もかも、異なる人種でぶつかり合う。

そんな救いようのない対立社会であるアメリカ。
さすが人種のるつぼ。
理由もなく、ただ違うだけで偏見が出来上がってしまっている。
それに反発する人も勿論いるんだけど、その立場は少数で、別の立場から睨まれる。

そんなやり場のない怒りを感じるけれど、
なぜそんなに差別をするんだ?という実感のない社会に生きる自分。

後半になり、やっと理解できる感覚が現れる。
心に差別をなくすことは難しい。
信じているものを変えることは、きっと難しい。

だけど、正しいと思った方向に、一歩自分から歩み寄ればいい。
対立を解くには、辛い道だと判っていても、どちらかが進まなければ始まらない。
相手が反発してくるかもしれないし、できれば同時に歩み寄りたいけど、それはできない。

人種差別があったことも、あることも、事実。
それを良くないと思う心がある以上、今度はぶち壊す勇気がいる。
なんでこうなったかという理由を考えるより、今後どうしたらいいか。

平和な心がもっと広く根付けばよいのだけど、難しい問題か。
安易な解は、映画の中にもない。
 


2007.05.07, 00:25 / ☆☆☆
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