2006.10.09

スタンドアップ 特別版

女性が鉱山で働き始めた頃の、セクハラ訴訟の話。

それまでは男性100%の職場だったため、
女性が働くということを男性の職を奪うと捉える。
それが全ての発端である。
 
職を奪われる立場となる男性は、女性を追い出そうと嫌がらせを続ける。
性的な嫌がらせ、暴力だけにとどまらず、トイレに閉じ込めるとか、、、
程度の低い悪質なことばかりを、男性が寄ってたかって繰り返し、誰も助けない。
(あ、やめろよって言う人も1人いたな。 彼、偉い。)

あそこまで酷い環境が存在することが、信じられない。

仕事を失いたくない一心で、同僚を売る。
男性も、女性も、だれも真実を言わない。言えない。

そのせいで家族にまで亀裂が入り・・・。
父親なんか、最初っから完全なる敵だった。
集会で立ち上がるまでは、卑猥な男性であり、父親ではなかった。

そんな中で、グローリーという女性第一号の彼女だけは
嫌がらせを受けていただろうけれども、
それなりの信頼を得ていて、組合の代表も務めていた。
彼女が立ち上がったからこそ、心をつぶしていた人たちが立ち上がった。

でも、彼女のような人が、訴訟を起こしたわけではなかった。
訴訟を起こしたのは、彼女のように信頼を得ている人ではなかった。
ふつうの女性だった。

主人公のジョージーは、真っ向から攻撃的にぶつかるばかりで、うまく対処する力は欠けている。
きっとこういう場でなくても、完全に信頼を勝ち得るタイプではない。
だけど、その真っ向から立ち向かう姿勢があったからこそ、起きた訴訟である。
 
このような、集団対少数派という、圧倒的に不利な闘いのさなか
息子サムとの、親子のストーリーがいちばん感動的だった。
そこにも、レイプということが絡んでいる。
女性に対する性的暴力という点では、問題は同じだ。

今となっては、セクハラは悪いこととハッキリ認識されている。
まだ会社や職種によって程度の差はあるようだけど
それでも、あれほどのことは、たぶん絶対にないだろう。

その土台を作ったのが、この訴訟だと思う。
意義のある、重い闘いだ。
その記録であるこの映画、非常に考えさせられる。
 


2006.10.09, 22:59 / ☆☆☆☆
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