2021.08.21
モロッコ、彼女たちの朝
臨月のサミアは仕事も家もなく、仕事を探しながら路地をさまよっていた。 家政婦として雇ってくれないかと1軒1軒回るなか、パン屋のアブラの家を訪問する。 シングルマザーのアブラは、必要ないと断るが、見捨てきれず、家に招き入れる。 シングルマザー2人の話。 夫を事故で亡くしたアブラと、未婚の母となりつつあるサミア。 婚前交渉が禁じられているモロッコでは、この2人の事情は全然違う。 でも、シングルマザーであること自体は、風当たりも強いし、人目に付く存在。 アブラは一人でしっかりせねばと、娘にも少々厳しく教育する。 サミアは、産んでからすぐに養子に出すと心に決めており、 人生を諦めているせいか、少し明るい。 そんなこんなで、ストーリーとしての展開は、とても少ない。 ただ、ひたすらモロッコを感じることはできる。 そして、ああ人が生きているんだなと感じることができる。 生きている中で、自分で選べる選択肢は少ないけど、 その中でも精一杯、目の前のことに向き合おうとしている。 少々うざったく干渉してくる人だったり、騒がしい路地だったり、 チーズを巻いたクレープみたいなパンだったり、 いろいろと懐かしかった。 アラビア語を勉強して1年8ヶ月になるが、 ほんと挨拶程度しか理解できないもんなんだなとわかって、悲しかった ^^;