アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち
離婚して夫側に引き取られた息子ディランの結婚式に参加するため、久々に再開する2つの家族。
元夫ポールの新しい家庭は、美人だが超目立ちたがり屋の妻パティが仕切る刺々しい家庭。
妻リンは、長女アンナは自傷行為を続け、息子エリオットはドラッグ中毒で手のつけようがない。
顔を合わせて上手く行くわけもなく、ぶつかり合う。
宣伝文句にはシニカルかつユーモラスと書いてあったが、全然ユーモラスではなかった。
元夫ポールは離婚の原因を新しい妻にも明かしていなかったらしく、
新しい妻パティはリンが悪いと思いこみ、自分が母親として正しい姿だとひけらかす無神経なヤツ。
リン自身は元夫ポールを異常に怖がり、そのため子ども達にも過保護かなと思えるくらい神経質。
でもその原因がDVだったなら仕方ないかなとも思う。
で、ある意味主人公なのが、ドラッグ中毒の息子エリオット。
モルヒネの80倍(?)という劇薬にも手をつけてしまい、失神することで現実逃避を続ける。
幸せなことが家族の絆を深めるのではなく、悲劇が絆を強める、というエリオットの台詞。
これがこの映画の全てだと思う。
ディランの結婚を祝う気持ちがある人が、この家族・親戚の中にどれだけいるだろう。
結婚式により、一生会いたくなかった人に再び会わなければならないことの不幸のほうが大きいだろう。
会いたくないなら冷戦状態になればまだよかったかもしれないが、直接ぶつかり合うのがこの2家族。
親戚も噂好きで火に油を注ぐタイプの人ばかりだし、できれば会いたくない。
ただただ辛い日常を描いている。