2012.11.04

星の旅人たち

初老のトムの元に、世界を見たいと旅に出た息子ダニエルの訃報が届いた。
息子とコミュニケーションが取れていなかったトムは、息子が何をしようとしていたか理解できず、
息子の装備をそのまま使い、彼の遺灰を携えて、800kmを歩く巡礼の旅に出ることにした。

なんでタイトルに星って入ってるのかわからないけど、原題は”The Way”.
そのまま『道』ってタイトルでよかったんじゃないかと思う。

『サン・ジャックへの道』は聖地巡礼ツアーに参加した人々の話だった。
こっちの映画は、一人旅で巡礼を行う人々の話。

・ 一人旅で合わない人に出くわして一緒に行動することになってしまった時の、めんどくさい感じ
・ 一人でいるとたまに襲ってくる不安
・ 現地の人の温かさにふれたときの嬉しさ
・ 現地の人の苦しみを知ったときの、どうしようもないもどかしい気持ち
・ 一緒に旅した人たちと別れるときの切ない感じ

そういった、旅でよくある感情が全体から感じられて、親しみをもてた。

この巡礼の旅の場合はルートが決まっているので、
歩くスピードによっては、ずっと同じ人々と出くわし続けるわけだ。
最初のうちは嫌々だったけど、徐々に相手のことを理解していくトム。

ジプシーにバックパックを盗まれたときの絶望感、その後の父親の話。
自分の中でもいろいろと感情が動くのがわかって、旅をしている気分だった。

一回旅を終えると、確実に前とは違う自分になる。
だけど、旅の前と変わらない現実に引き戻されてしまう。
そこでどうやって生きていくか、それが旅の意味なんだろうなと思う。

巡礼を終えた4人は、新しい気持ちで人生を歩き出すだろう。
深い感動というわけではないが、清々しくてなかなか好きな映画。

星の旅人たち
監督:エミリオ・エステヴェス
出演者:マーティン・シーン、 デボラ・カーラ・アンガー、 ジェームズ・ネスビット、 ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン
収録時間:128分
レンタル開始日:2012-10-12



2012.11.04, 16:52 / ☆☆☆☆☆
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