2013.11.10

クラウドソーシングの衝撃

クラウドソーシングの衝撃

著: 比嘉邦彦、井川甲作

この本で扱うクラウドソーシングとは、仕事の受発注をネット上のやりとりで完結させるもの。
ネット上で仕事を発注して、それを受注したい人が提案書を書いたり作品を提出したりして応募し、
発注した人が適切だと思われる人を選んで、仕事を依頼するという形。

この形態がアメリカ等では少し前から本格的に使用されていて、日本でも最近脚光を浴びるようになってきた。
日本では、ランサーズクラウドワークスが有名どころ。
IT系の仕事、デザイン系の仕事、事務処理などが対象となる。

会社員として会社に雇われなくても、自分で仕事を得ることができる。
仕事する時間や仕事する量を、自分で決めることができる。
そういった意味では、かなり仕事の自由度が上がるので、新しく働くことができるようになる人も多いだろう。

逆に、会社に行って席に座ってるだけで給料をもらってるような人は、一切稼ぐことができない。
完全な実力主義の世界なのだ。

辺境の地でもネットさえあれば仕事を得られるというメリットがあるが、
裏を返せば、日本の感覚で料金を提案すると、世界レベルで見れば高額となり、それだけ受注が難しくなる。

日本で完結しているクラウドソーシングであれば気にならない話だが、今後その枠はなくなっていくことだろう。
その枠外で働くとすれば、それなりの金額で暮らしていける場所じゃないと厳しい。

給料の低い国に仕事の一部を委託するというのは、日本でも10年前には行われてたこと。
中国やインド、ベトナム、最近ではミャンマーで開発をすることで、開発費を削減してきたことだろう。
だが、それはもう過去のやり方ということになるのではないかと思う。
開発拠点を海外に構えるより、必要に応じて発注できるほうがさらに安く済む。

だが、これが普通になるにつれて、そういった職種では自分も給料を下げざるを得なくなる。
もしくは、特殊な技術を持って、競争相手がいない状態にならなければならない。

アメリカでは政府レベルから推進の指令が出ているらしいので、それと関係あるのかもしれないが、
個人的にはIBMがクラウドソーシングを導入し、代わりに社員を減らそうとしているという記述が気になった。
いや、もう社員じゃないからいいんだけど・・・

私がやってるプログラム等の仕事は、まさにクラウドソーシングに置き換えられていくべき種類。
会社の中でしか通用しないものに力を注ぐのは最小限にして、外に通じる力を身につけなければと改めて思う。

こういった世界でもちゃんと仕事を得られる人になれば、時間や場所に制限されずに仕事できる。
自分にとっては理想の姿だ。


2013.11.10, 09:35 /
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