2009.03.21

再会の街で

9.11 で家族を全員失った友人を、偶然に街で見かけ、
心配になって再会したら、完全に心を閉ざしていたので、
何とか彼を立ち直らせようとする男。
 
つらいことは忘れた方がいい、とか、新しい道を探せ、とか、
そんなことを気軽に言ってられるのは部外者だから。

思い出すとつらいし、忘れることはできないし、
それがわかっていながら、もがき苦しむ姿が痛々しい。

話せばラクになるなんて思えないし、
話すことで現実と向き合うのがつらいだろう。
気楽に話せるような事ではないし、話したら軽くなりそうでイヤだろう。

もし自分の身に同じことがあったら、立ち直れない。

だから、医者に当たったり、口を閉ざす気持ちはよくわかり、
そこからどう立ち直っていけばいいのか、
方法があるなら教えてほしい、と、思いながら見ていた。

彼に接していくアランのほうも、
ただ放っておけないという気持ちだけだったのが、
そうではない別の感情が見えてきたりして、そちらも深い。
 
精神科医に、私以外でもいいから誰かに話せと言われて、
アランにポツリポツリと話すとき、
最愛の家族だったことがヒシヒシと伝わってきて、余計につらい。

見ていて、つらくなることばかり。
立ち直るための映画なので、気持ちは前向き。
自分の今あるつらさのほうがマシ、と思えるのは良いかもしれない。。
 


2009.03.21, 11:41 / ☆☆☆☆☆
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