2011.08.07

30代の思考法

30代から「格差」を逆転できる思考法
著: 和田秀樹

著者は精神科医。
そこがいい。

ビジネスマンが書いた本は、自分に当てはまる例が少ない。
同じような立場、同じような会社じゃないと意味がなかったりする。
人間のメンタル面から考えたほうが、自分に当てはまる例が多い。

詰め込み教育を受け、バブルは崩壊し、就職に苦労し、
リーマンショックで打撃を受けて、苦労しているのが30代。

だからこそ、基礎学力はあるし、ストレス耐性も高いのだという。
一所懸命にやって負ける経験をしている世代なのだ。

何もしないで高校に入れ、何もしないで大学を卒業できる世代とは違う。
打ちのめされても這い上がろうとする力がある。

ちゃんと勉強しないと大学に入れなかったから、
何が自分の弱点で、それを克服するために何を何時間くらい勉強するか、
そういうことを自分で計画してきた人も多く、スケジュールを立てる能力が高い。

そう言われると、塾や予備校に行ってなかったから、
効率よく質・量をこなすために、綿密に計画を立ててテスト勉強や受験勉強をしていたな。

とか考えると、そういう経験がない人に、
スケジュールをちゃんと立てよう、って言ったって無謀なんじゃないか?
やっぱり根本的に経験値が違うことを念頭に置かないといけないなと思った。

こういう経験値が仕事をうまく回す力であり、単なる知識ではなく「使える力」。

同じく、こういう経験の中で、満点主義・完全主義をやめることも覚える。
バランス・コストパフォーマンスを考える。
限られた時間の中で、苦手分野への対策と、得意分野を落とさないことのバランス。

自分に必要な睡眠時間や集中できる時間を把握することも、当時実験した。
それを超えて働いてもミスが増えるので無意味なのだ。
4時間睡眠で1週間は頑張れるけど、授業中に眠くなるからダメ、とか。

そういうことも、働く時間を増やすより、質をあげることを考えることにつながる。
ミスの多い仕事を12時間やるよりも、8時間集中してやったほうがいい。

あとは、出力を意識して勉強することが大事。
アピールが苦手なのが30代だということだ。

これについては、ある程度、方法を勉強するしかない。
誰かのやり方を聞くのもいいが、それはその人のやり方。

偉い人が言ったから正しい、と思わず、自分で考えることが大事。
やってみなければわからないのだ。

こういう考え方は、理系の考え方だそう。

文系は歴史や過去の事例など、事実から出発することが多くて、
理系は裏にある原理を推測して試しながら、正しいであろうことを判断することが多いと思う。
この考え方の違いが出るのかなという予想。

で、理系の考え方のほうが仕事には役に立つことが多いという。
もちろん、仕事のやり方に正解がないからである。

でも、理系出身だからと言って、理系の考え方ができるわけではない。

研究職の時は、周りはみんな理系の考え方だったけど、
開発職になってから、文系の考え方の人が半分くらいいるような気がする。
文系出身の人もいるんだろうけど、関連は調査していない。

自分のケースが全てだと思わず、いろんな可能性を考えるべきである。
目立つ人の言うことが正しいわけではない、ということをちゃんと認識して、
勉強法や仕事法の本が全てのケースにおいて正しいとは限らないことを知っておくべきなのだ。

自分のことを賢いと思うとバカになるし、自分のことをバカだと思うともっとバカになる、
なかなか良い言葉だと思う。
ある場面では正しいことが、違う場面では間違いであることも多々ある。

白黒はっきりさせることを考えずに、グレーの濃さを考えるべきだという。
最善の場合と最悪の場合を考えれば、たいてい間に収まるし、悪い話ではない。

最後に、自分にとって重要なアウトプットの仕方について。

わかりやすさを意識したトレーニングすべきとのこと。
一行さらっと書くようなものじゃなく、ちゃんとした形式じゃないと意味がない。
つまり、Twitterはアウトプットの練習にはならない。

論理立てて、明快に書くことが大事なのだ。
幸い、論文を書くことについては経験も少し多く持っているが、
読む人のことを考えると、それよりも万人に向けて書く必要がある。

提案→実例→結論、などの型を決め、テーマに沿って一話完結だと読みやすいという。
そして、文章が長すぎないようにすることも大事。

このブログも表現の練習の場である。
上記の原則に則ってるときもあるけど、そうでないときも多い。

ちゃんと書いた時の文章は、もうちょっと外向けのページとしてまとめてもいいかもしれない。

ということで、自分の経験と照らし合わせて、なかなか共感できるところが多かった。
自分では当たり前だと思っていたことが、環境によって作られた部分が多いことも再認識した。

今のままでいいんだと思う箇所も多かった。
と同時に、アウトプットや行動力は今以上に出さないといけないなと思った。


2011.08.07, 12:56 /
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2011.08.07

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ

ジョン・レノンの青春時代、ビートルズを結成する前の話。
伯父・伯母に育てられたが、仲のよい伯父が亡くなってから、実の母に会う。
反抗期のジョンは、厳格な伯母より、奔放な母のほうに懐き、音楽を始める。

ものすごく勝手なイメージだけど、
ビートルズって、純粋に音楽が好きな良い子の集まりかと思っていた。

ポール・マッカートニーはそんな感じで描かれていたが、
ジョン・レノンは居場所を求めて彷徨う不良。

プレスリーにあこがれて、不良仲間と始めたバンドも、
ゼロからのスタートなのに最初っから良い演奏だったし、才能あったんだな。

過去の母の浮気、伯母の愛情など、大人の事情で苦労している。
いろいろ悩みは尽きなかっただろうし、思うことも多かっただろう。

それを音楽という形で表現することができて、やっと捌け口を見つけた。

熱い。

『ひとりぼっちのあいつ』なんてクサい副題は要らない。
もっと泥臭い感じの映画。

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ
監督:サム・テイラー=ウッド
出演者:アーロン・ジョンソン、 アンヌ=マリー・ダフ、 クリスティン・スコット・トーマス、 デヴィッド・モリッシー、 デヴィッド・スレルフォール
収録時間:98分
レンタル開始日:2011-06-02



2011.08.07, 12:15 / ☆☆☆☆
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