2011.08.20

しがみつかない生き方

しがみつかない生き方
著: 香山リカ

仕事をなくしたら家族に頼ることもできずにホームレスになる時代。
仕事は夢を実現するものじゃなくて、食べていくために必要なことなのである・・・

確かに本に書かれているとおりで、将来の夢だの計画だの言われると答えられない自分がいる。
就職活動のときもそうで、就職してからも今もずっとそれは変わらない。

食べていくために仕事をしていることが、下世話で夢がないと思われるかもしれないけど、
『自分探し』の旅に出るよりは、自分で働いて自分で生活してみようと思って、今に至る。

そういうことを肯定されているようで、気が楽になる。

自己PRと称して自慢をすることが当たり前になってしまってる今、
他人を蹴落とすことを良しとする風潮になってしまっており、
他人の失敗を見ると、そいつは敗者で自分は勝者だからといって、間に壁を置く。

こう問題として書かれていたが、私自身、就職・転職活動における自己PRが大の苦手だ。
自分を演じることでものすごく疲れたし、口だけがうまい人を恨んだものだ。

仕事をしないと生きていけないという前提があるからこそ、
そこまでして『勝者』になりたいわけで、いきすぎると他人を蹴落とす方向に向かうのが自然。

なんでこんな生きにくい社会なんだろう。

でも、結局、全て運である。

結婚してない事に悩む人や、子どもがいないことに悩む人がいれば、
相手がいるのに満たされなくて悩む人もいる。

子どもがいる女性だけが優遇される世の中になってしまったが、
結婚したことも子どもがいることも、結局は運である。

子どもの有無に関係なく、男女関係なく、機会は与えられるべきである。

自分を完璧にすることはできないが、相手のことも自分でコントロールすることはできない。
必ずしも自分の失敗のせいじゃないし、本に書いてある通りに物事が進むことは有り得ない。

単に運によるものなのだから、自分を卑下する必要はないのだ。

中途半端であることを認めることや、自分の力でどうしようもないことを認めること、
そういった心構えが、しがみつかない生き方なのだと思う。

私自身、非常に悩みがちだけど完璧主義ではないので、そうだよね~って共感できた本である。
それにしても、前に読んだ本も精神科医が著者だった気がするな。


2011.08.20, 20:03 /
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