デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-
サダム・フセインの長男ウダイ・フセインの影武者にさせられた男ラティフ。
自らの人生を全て捨てて、狂ったウダイの人生を模倣しなければならない。
ウダイの狂気と、苦難に満ちたラティフの人生を描く。
薬物中毒で拷問好き、女子学生や花嫁を強姦し、娼婦に嵌る。
尊敬できるところなんてひとつも無く、父サダム・フセインにも見捨てられている。
何でも家族を盾にして言うことを聞かせたり、人としてやってはいけないことばかりやってるし、
そんなウダイの影武者をさせられてしまうなんて、顔が似てしまったことを恨む。
見ていて、ウダイの行動の全てに嫌気が差す。
ウダイの側近たちは慣れっこで大して気にもしないが、正常なラティフはどんどん嫌になっていく。
髭や髪を剃ってしまえば・・・と思ったけど、それくらい付け髭やカツラでどうにかなっちゃうんだろうな。
なんせ似せるためだけに手術を強要するくらいだから。
あと、ウダイ以外の人までパーティーを盛り上げるために銃を乱射してたりするのも怖かった。
あれだけ銃が身近にあるのであれば、さっさと殺してしまえば今よりマシになるのでは?と思ったが、
人殺しなんて正常な人間が即決できる問題ではない。
とにかく思うのは、こんな男に政権が渡らなくてよかった、ということ。
ウダイに対する憤りしか沸いてこない。
で、これ、実話らしい。
映画を通じて私が得た憤り以上のものを、実際の人々は抱えていたことだろう。
みんな英語しゃべってて、インシャラーだけアラビア語だから若干違和感があった。
実際はみんなアラビア語だったんだろうけどね。