2010.06.20
イントゥ・ザ・ワイルド
物質社会に嫌気がさし、
大学を卒業したタイミングで全てを捨て、
アラスカを目指して、一人旅に出たクリスの日々の記録。
見終わるまで知らなかったが、実話のようである。
そう思って見ると、わかると思える箇所が。
物質社会に嫌気がさしたのが、旅に出た理由だったはず。
だが、ヒッチハイクで車を使うし、狩猟のために銃を使うし、
時々バイトをしてお金を稼いで、カヌーを買ったりするし、
何より、屋外じゃなくて、バスの中で暮らしている。
嫌気がさしたのは、親の力であり、
物質ではなかったのだと思う。
ただ親の影響力から逃げたかっただけなのだと思う。
何でもかんでもお金で解決しようとする、
そういう心がイヤだったんだと思う。
その逃げ場として、何もない荒野を選んだのだ。
自分で好きで選んだ道とはいえ、
何週間も一人で過ごすことは、そうそうできることではない。
それは若者のパワーがあったからこそ。
中年ヒッピー夫婦や、革工場のおじいちゃん、
いろんな人と触れ合うことで、
本当に自分が求めているのは何か?ってことに気付く。
大自然の中を旅していても、人間の影響力は大きい。
束縛から開放されるために選んだ荒野でも、
完全な自由と引き替えに、食べ物に制約される。
そうして最期を迎えてしまうわけだが、
きっと満足して死んだだろうけど、虚しさが残る。