2022.11.26
ひとりぼっちじゃない
『ひとりぼっちじゃない』 著: 伊藤ちひろ 井口さんが映画で主演を務めるということで、原作を読んでみた。 脚本は当て書きだというから、どんな本か気になったのだ。 歯科医師ススメの日記という形式で、彼の心の奥が書き並べられている。 他人の日記を読んでいるような後ろめたさを感じながらも、 剥き出しの感情や、時に反省したり自分を鼓舞したりするところに惹き込まれる。 しかし、最初は読み進めてもページ数がさほど進まないという状態で、 この本はもしかしてとてつもなく長い本だったのか・・・?と思ってしまうペースだった。 Kindleだったので、全体量を把握していなかっただけではあるのだけど。 川西、宮子さん、ヨウちゃんという3人の女性にいろいろな感情を抱いていて、 不器用ではあると思うけど、真っ直ぐに生きていて、 少なくとも私にとっては、狂気でもホラーでもなかった。 だから、読み終わってから、映画の予告映像を見て、 だいぶ狂気の方向に振っているのを見て、 これは読む人によって感想がかなりの幅があったりする本なのだろうかと思った。 私もここに日記を書いているタチなので、共感できる部分は多いのかもしれない。 私の場合は、秘密の日記ではなくて、9割以上は公開設定のままにしているので、 そこまで剥き出しの感情を剥き出しのままに書いたりしないし、 そもそも個人名を書いたりすることはないので、深さが全然違うけど。 私の場合は、公開する文章として意識しながら書くことで、整理している部分はある。 あとは単純に記憶の記録という意味が強いけど、 そちらの意味では非公開のほうが事細かに書くことができるから、弱いかもな。 ともあれ、すごい共感する部分は多かったし、 読んでいて脳内ではススメ先生が井口さんの声と姿になっていたので、 なかなか興味深く楽しく読むことができた本だった。 映画も見に行くと思うけど、違った印象になるのかな。。