ストックの長さを長めにセットし,両手にしっかりと握る.思ったよりも道は急勾配だ.
カルロス組の皆さんはどんどん降りていく.当然のように私は取り残され,一人慎重に,全力でストックを使いながら下っていく. すぐに片ひざに違和感を感じ,それが痛みへと変わらぬよう,階段は全部カニ歩き.両脚に均等に力が加わるように,バランスを取る.するとしばらくして片ひざに集中していた違和感が,うっすらと両ひざに広がる.全く油断も隙もない.
ストックを2本持ってきて正解だと思った.1本だったら片ひざを痛めていたかもしれない.
下まで降りて,昼食.ホバート組との距離が空いているということで,合流を待たずに昼食をいただく.トイレ休憩を入れて,自分の体調の変化を知る.下降ギミ.
昼食後は再び上り.上り坂ならば皆さんと一緒に歩ける.体力的にはツラいけど,気持ちの面ではラクだった.やっぱり孤独に歩くと,不安が大きくなる.天気が悪いのも一因かもしれない.
途中途中で遺跡や沼を見学.その度にホバート組があと何分くらいのところに来ていると教えてくれたけど,やはり合流を待つことなく進み続けるのであった.
そして,2つめの山であるRUNKURAQAY HIGH PASSに到着し,しばし休憩.
また山に来たということは,次は下り道である.あとは下ればキャンプサイトに着くのだ.また皆に先に行ってもらい,後ろからゆっくり歩く.今度はもう一人同じペースの女性がいたので,二人で静かに歩いていた. 途中でけっこうたくさん鳥を近くで見ることができたが,解説などは聞けないので,ただ眺めるのみ.
1時間ほどして,前方から久しぶりに人の声を聞いた.先に行った人々が休憩していたのだ.そこはちょうど高いところにある遺跡で,狭い急な階段を上らなければならない.そこを上がるかどうか,ということで,私は上がるほうを選んだ.
それから後,また皆さんに引きはなされたが,今度はまた別の女性が一緒のペースで歩いていた.もう日が暮れてきて,ホバート組の皆さんがライトを持っているか? 体調が悪かった人は辿り着けるか? そんなことを話しながら歩いた.
すると,後方から人の声.噂をしていた体調の悪い人が,ポーターさんに背負われて登場!! しかも,さっさと抜かされた!! 道が暗くて怖くなってきていたから,後を追おうとしたが,一瞬で諦めた.彼らはやっぱり速かった….
雨はやまず,キャンプサイトもぬかるんでいて,テントで休む.真っ暗になってきたころ,ホバート組が到着した声が聞こえたので,テントの中から拍手を送った.
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