沖縄本島の西側の島々である.これらの島々をカヤックで渡りつつ,キャンプしつつ,旅をする.アイランドホッピングである.
最も状態が良ければ,こう行きたかったらしい.そして粟国島まで行けたらしい.でも実際は3個目の印のところまでしか行けなかった.それがまた次回行かなきゃという気にさせる.
初日は距離が長かったのだが,進行速度が遅いせいで潮に流され,酷い状態だった.何がいちばん酷かったのかと言えば,みんながバラバラにはぐれてしまったこと.
途中までは1時間ごとに5〜10分の休憩を取っていたので,それなりに固まって行動していた.だが,最後に"ここからは休憩なし!!"という話があった途端,速い人はドンドン先に行ってしまい,遅い人は後ろに取り残される.私はガイドと同じのに乗ってるから外れようがないのだが,波や潮の状態も厳しい中で,みんながバラバラに離れていってしまうのは怖かった. 声の届く範囲で行動するという約束が完全に破られていた.ガイドさんの"レスキューを呼ぶ可能性あり"というような話を聞いて,どうすればいいのか考えてみたけど,自分の力ではどうしようもなく,せめて足手まといにならないように一所懸命に漕ぐことしかできなかった.
結局,途中でカヤックを止めて釣りをしていた人に追いついて,そこに一緒に止まっていた人が後ろの人に付いて,パワフルな釣り人が先に行ってしまった人々を探しに行った.そういう力量の人がいなかったらどうなっていたんだろ….
こんな感じで潮で北に流され,途中からは風も強く,思うように進まない.26kmくらいを7時間かけて漕いだ(らしい).通常ならば2,3時間で着くらしい.前島の端っこ(中ノ島?)で最初のキャンプ.(地図上の出発点はよく覚えてないので違うかも…)
やっと着いたキャンプ場.ヤドカリがいっぱいいることに驚いた.まだこのときはこれから毎日たくさんヤドカリに会うなんて思っていなかったから…. ここでいきなりビンを片手に現れたのは,先ほど書いた釣りの人.そのビンの中には紙.そう,レターボトル!! 初めて見た.しっかりとロウで蓋が固められていた.中には青森の小学生からの手紙.なんかステキだね.ちゃんと返事を書いてやろうと言っていた彼もなかなか粋である.
キャンプの食事はガイドさんが作ってくれる.それを常連さんが手伝っている.とりあえず何をすればいいのか全然わからなかったので,見る.でも手伝わないのも悪いので,手伝えそうなところだけ手を出した.貝のわたを取ったり,食材を運んだり…. 食事前にハッピーアワーと言ってお酒タイムがある.そのオツマミもちゃんとある.すばらしい.飲んで,食べて,飲んで,寝る.
右手にマメが1つできた.
渡嘉敷島へ渡る.お昼に別部隊(短期ツアー組)がいるところに上陸.初日に会った女性もいた.こちらは今日は停滞の日ということで三線とヨガを楽しんでいた.ヨガをちょっとマネしてみたけど,脚が固いのかムリだった…. その後で滝のあるところに行ってシャワーを浴びる.真水を浴びられるのは嬉しいものだ.
お昼に一回上陸したので,1日目よりは気分が楽だった.午後は向かい風でやっぱり進まない.この日も6時間くらい漕いだ気がする.
昨日できたマメにテーピングをしてもらってグローブも貸してもらって(ありがとう) 使っていたのに,新たにマメが3つでき,そのうち1つが潰れた.
浜に上陸するところは浅瀬になっているのか,波が激しい.方向を間違えると沈すると言われてドキドキ.こうしてやっとキャンプ地の浜に到着. そこでカヤックを浜にあげるとき,ビーチサンダルのまま外に出てしまい,珊瑚のうえでバランスを崩してコケた.そして右足の踵を怪我した.あちゃ〜.
両手にマメと右足の踵に傷.満身創痍な感じだったが,もはや痛みを感じないレベルになっていた.気が張っていたのかな.
波浪注意報.1人が寝てる間に7人で投票した結果,多数決で停滞することに決定.歩ける距離にカヤックを出し,ちらっと買い出しに行く.それだけでも波の高さが怖かった.この日に進まないことで粟国島(理想ルートの最終地)まで行けないことが決定.ものすごく残念がる人あり,安全第一だから仕方ないと言う人あり.私の気持ちは両方だったけど….
停滞していたのでノンビリ過ごす.正直やることない.でも,手にできたマメが治るといいな,とか,珊瑚で切ってしまった踵が治るといいな,とか願っていた.願ったところで治るもんでもないが.
暇だったから,珊瑚とか石とかを並べて遊んでた.いちばん右の写真がそう. 三線を少し教えてもらったり,海水から塩を作るのを見ていたり,蟹をつかまえてみたり.暇なら暇でそれなりにのんびりと過ごせて,それもまたいいかな,と思った.でも波が高いからシュノーケルはやめておいた.
まだ波が高い.島の裏側に行こうとするが,途中波が良くなくて進めず,引き返す.キャンプ地を変えるため,さらに戻った. 戻るときは追い風になり,後ろで帆を張ったり,凧を上げたりしていた.私は漕がなくてよくて楽ちん.ただ,後ろから波が来るので,今までにない変な揺れ.なんか船酔いみたいに気持ち悪くなっていた.だからそういう意味でも,漕がなくてよくて本当に楽だった.
もうキャンプ生活も慣れてきた.でも浜によってトイレに向いた場所があったりなかったり,微妙に過ごしやすさは違う.
ここの浜は遠くのほうまで浅く,私でも危険を感じないレベルでシュノーケルができそうだったので,ここへ来てやっと挑戦!! 下が珊瑚とかでゴツゴツして歩きにくそうだったので,シューズと軍手を装着して,フィンなし. ちょっと先のほうまで歩いて行くと,地面が割れているところがあって,その隙間に魚がたくさん泳いでいた.そんなに深くなかったし,潜って行かなくてもちゃんと見れたので,プカプカ浮かんで水中を見学.
別の島(座間味島)に渡る.風が収まり,ものすごく進みやすくなる.今まで時速3.5kmくらいだったのが,7kmくらい出ていたらしい.そして,このくらいの速度が普通らしい.距離のわりに,2時間くらいしか漕いでいないような….何ともスムーズ.
買い出しの後,最後の20分くらいシングル艇を漕がせてもらった. ラダーの操作がうまくいかない.少し踏んだだけでけっこう方向が変わり,なかなか真っ直ぐ進めないのだ.まだ慣れぬうちに,ちょっと狭くなっている岩の間を通ると言われて緊張.あからさまに緊張した顔をしていたらしい.前の人の通った道をそのまま忠実に辿る. やっとラダーの操作に慣れてきた頃に浜辺に到着.緊張のせいか,どっと疲れた.
ここの浜もシュノーケリングしやすい.砂浜が続いているので歩きやすめだったので,今度はフィンも装着.初めてフィンを使ったが,全然手を使わないで進めるので便利だ.たくさん泳げたけど,前のところより魚が少なかった.手近な範囲を2周くらいしてから,散歩してたカヤックにつかまらせてもらって戻る. "ひとりでできるもん"と題して,第1弾はシングル艇.第2弾は…魚をさばく!! ということを,教えてもらった.魚は手伝い程度でしかやったことなくて,生きてる魚をさばくのは初めてだ.ノドを切って,鱗を取って,内臓を取って洗って,エラを取って,ということをやった. こうして並みの男じゃ満足できないようにして晩婚化を進ませるらしい.うーー.
最後の日.全然風がなくて,湖のような穏やかさ.昨日来た道を引き返す.シングル艇に乗ったあとだから,今までとちょっと漕ぎ方が変わる.楽な漕ぎ方になったけど,やっぱりタンデム艇だと進み具合がよくわからないや.
青年の家がある浜辺に着く.海水浴の人がビーチにたくさんいた.久しぶりに見る大勢の人. カヤックを上陸させて,荷物を降ろして,カヤックを洗う.ハドルもライフジャケットも全部洗う.そして,青年の家にカヤックを置き,昼食を取って,フェリーまで移動.とまりん港へ帰る.
けっこう長い時間フェリーに乗っていたけど,それを漕いで行ったということか….すごいな.
那覇2へ/慶良間キャンプツアーに戻る/戻る
※ これらの地図は白地図 KenMapを使って作製したものに,GIMPで線を書き加えた.