ホテルをチェックアウトした最終日にもう一度,自転車を借りてアンコールワットへ行った.思う存分,ゆっくりする.
いちばん最初に来たときは,セカセカ動いていた.ガイドブック片手に見所は見逃すまいとしていた.
2度目に来たときは,ゆっくり見た.風を感じて,ゆっくり歩いた.日陰に座り,ガイドブックをじっくり読んだ.
そして3度目.もうガイドブックは見ない.ただ感じる.そこにいることだけを感じる.気持ちがいいから寝る.なんと幸せな時間だろう.
もう時間を気にすることもなく,ゆっくりしていると1,2時間は簡単に過ぎていってしまう.そう,こういうことがしたかった.空気に身を任せたかった.
最終日をこうして過ごしてみて,思い残すことはないか振り返ってみたが,もうなかった.そこにあったのは,ただ満足感.
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