2012.03.24

Android Bazaar and Conference 2012 Spring

Android Bazaar and Conference 2012 Spring

Android のカンファレンス@東大に行ってきた。

雨のせいなのか、回を重ねてきたせいなのか、よりもさらに活気がなくなった気がする。
ツールやフレームワークの紹介や、ノウハウの話が多かったのかな。

今回はアカデミートラックがなかったので、転々とするかなーと思ったが、
結果、大半を安田講堂(メイン会場)で過ごしていた。

○ 変貌するWebの世界 — クラウドとクラウド・デバイスのインパクト (丸山 不二夫/日本Androidの会 会長)

スマートフォンが普及するに従って、データ量が爆発していて、docomoもKDDIも回線がパンクしたりしていた。
Android 4.0で改善されるということだが、Android は iPhone より制御信号が多いらしい。
パケット自体をたくさん送れるように設備を増強したけど、制御信号用の設備を増強しなかったのが問題らしい。

という話が印象的だった。
アプリケーションを開発していて、見えていない影響範囲って怖いものである。

○ クラウド2.0 — 情報プラットフォームの構築に向けて (谷脇 康彦/総務省)

日本のネットインフラは世界で見ても整っているが、行政サービスは世界で見ても20位以下。
大震災のときの津波でバックアップのない書類が流されたり、
医療カルテや薬の手帳などが流されたりして、どうしようもできなかった。

全国共通のインフラにして個別で開発するのをやめれば管理コストも下がるし、
リスクを分散できるかもしれないなーっていうような話だったと思う。

○ スマートフォン時代における新たな広告収益戦略 (坂本達夫/グーグル株式会社)

AdMobというスマホ向けの広告サービスの紹介。

97%のユーザーが無料アプリを使っているのに対し、有料アプリを使っているのは48%。
そして平均で持っているアプリの数は、無料アプリが27.7本、有料アプリが4.8本。

ということで、有料アプリを買ってもらって稼ごうと考えるよりも、
無料アプリにして、広告やアプリ内課金で稼ぐことを考えるほうがいいケースが多いとのこと。

Google の広告サービス AdMob は、
・ 世界約200ヶ国でその国に合った広告が出る
・ 多彩なフォーマット
・ 自社広告機能、空き枠バックフィル(スマホ用の広告が少ないときはPC向け広告も出す)、カスタム検索広告、Ad Network Mediation(いくつかの広告サービスを混ぜて使える)
というのが売り。

広告で収益を得るためには、
1. 広告モデルを前提としたUI設計にすること (途中でムリヤリ広告を入れないようにする、ユーザーの操作の邪魔をしない)
2. ユーザーのアクティブ度を重視したKPIを考えること (アクティブユーザー数、アクセス頻度、滞在時間、継続率)
3. 製品ライフサイクルを意識した継続戦略 (既存アプリに新アプリの自社広告を出してユーザーを移す、とか)
といったことを考えるといいらしい。

○ スマホアプリの利用者情報送信における同意確認のあり方 (高木浩光/産業技術総合研究所)

個人情報の取り扱いなどを考えるWGにて、事業者から、
・ 何でもオプトインにするのはおかしい (オプトイン=事前承諾を得る方式)
・ 端末IDは必要だから使ってるんだ
という話が出てるらしく、落とし所を見つけるためにあれこれ考察した話。

何でもオプトインすればいいわけじゃなくて、どのデータをどのように利用するから同意してくれ、とわかりやすく提示すべき。
Android はアプリのインストール時に、使用するパーミッションを見てユーザーがOKするモデルだが、
それだとパーミッションが何に使われるのかわからないため、OKしたからといって、実際の使われ方に同意したわけではない。

ただ 『現在地検出アプリ』というアプリだったら位置情報を取得するのは明らかなので、いちいち同意を求めなくてもいいだろう、とのこと。
また、サービス実現のために必要最小限の技術を使うべきであって、ついでに個人情報を取得して儲けようというのはダメ。
同意を求める事項に嘘があったりすると法律違反にもなる。

端末IDの話は、技術的に使わなくてもいいはずなのに、ガラケー時代のアプリ開発手法でそのまま使っているケースがあるとのこと。
スマホはWifi接続ができるので、端末IDで認証できる範囲というのはあまりなく、実際には別の方法でいいはず。

だが、いろんなアプリで共通のIDを使いたいという要望があったとしたら、今は実現する方法がないとのこと。
(第三者Cookieみたいなものを使えばいいけど、それは一般的に望ましくない)

○ 「今までのトークセッションを覆す」ソーシャルやってるエンジニアの座談会 (梶原 大輔/グリー株式会社、山口 徹/株式会社ディー・エヌ・エー、田中 洋一郎/株式会社ミクシィ)

いろんなデバイスがあるよねーって話をしてたが、これといったテーマが見えず、途中から寝てしまった。

○ 知って得するHTML5とJavaScriptでネイティブアプリ開発、最新動向 (安田 陽、熊澤祐紀/株式会社レキサス)

シリコンバレーに行ったときに HTML5 と JavaScript が流行ってたよって話と、appMobi{!} というアプリの紹介。

appMobi{!} は、Chrome上で Android/iOS アプリの開発ができる開発環境。
これでアプリを作ると、高速化エンジン付きWebブラウザとHTML5, JavaScript, CSS を1つにまとめたパッケージができる。
Webブラウザ部分がAndroid/iOSの違いを吸収してくれる。

エミュレータがあり、実機でのテストができ、カメラやGPSセンサーにもアクセスでき、HTML5の弱点を補うアクセラレータが入ってる。
あと、ワンタッチ決済ツールも入っている。
その辺が PhoneGap, Titanium という他のクロスプラットフォーム開発環境と違うらしい。

常駐アプリみたいな複雑なものはできないが、ブラウザ上で動くようなアプリであれば作ることができるとのこと。

○ 無料オンラインメディアと紙メディアの違い:収益性、記事の方向性の違い 広告にしか頼れないオンラインメディアに信頼性はあるか? (一条真人/ITmedia オルタナティブブログ他)

紙の記事は企画に時間をかけるけど、オンラインメディアだとスピード競争だから内容が薄くなりがち。
また、オンラインメディアは広告収入に頼ってる部分があるので、広告主によって内容に影響が出るので公平じゃないこともある。

というような話を、資料も映像もなく、ラジオのように淡々と。
喉が痛かったこともあり、途中退出。

以上。

今日思ったことは、やっぱり自分でアプリを作る側の人間になろう、ということ。

今年の目標だ。


2012.03.24, 20:29 / Android, 勉強会
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