2019.02.09

ナディアの誓い

ナディアの誓い On her shoulders を吉祥寺のUplinkで観てきた。

2018年ノーベル平和賞受賞者 ナディア・ムラドの決意と行動、というドキュメンタリー。

イラク北部でISISのレイプや虐殺から逃れたヤジディ教徒の女性ナディアが、
他のまだ捕らえられている多くのヤジディ教徒を助けるために、自分の経験してきたことを語る。

その語る内容の話ではなく、そうやって世界に発信することを選んだナディアから見た世界の話。

ナディアがメディアにどういうインタビューを受けてきたか、
世界中のヤジディ教徒は何を思うか、
そして、世界は変わったか。

虚しさと無力感が強く残った。

メディアはナディア自身に興味を持ち、残されたヤジディ教徒を追ってくれない。
世界はナディアに肩書きをつけ、支援を表明するが、実際の行動にはつながらない。
ヤジディ教徒は怒り、泣き、支援を求め、ナディアにすがりつくが、自分たちでは何もできない。

ISISを相手に、何ができるのか。
説得したいという話もありつつ、壊滅させるという行動に出ている国もある。
話し合いに応じない相手にどう対応していいか、映画を見ながら考えてたけど、やっぱりわからない。
壊滅させる、つまり戦争を起こすことしか解決策がないようにも感じてしまう。
ナディアが行動して何かが変わるのか、それもわからない。

ひたすら無力感。

現在進行形なのに、自分で何か行動を起こせるかと問われると、何も浮かばない。

ナディアはきっとかなりの無力感を感じているだろうが、彼女は無力ではない。
彼女は彼女なりに行動して、世界を少しずつでも変えている。

自分が無力なことに改めて気づいて、辛かった。


2019.02.09, 22:23 / ☆☆☆☆
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