風立ちぬ
関東大震災の頃の日本、飛行機の設計士になることが夢の二郎は、航空研究科で勉強していた。
ちょうど震災のときに列車で女性を助けたが、それきり別れてしまう。
二郎は設計士としてドイツに視察に行くなど順調にキャリアを積み、戦闘機を作りつつ、結婚生活を送る。
CMの帽子を拾うシーンしか知らず、前知識なく見に行ったので、
こんなにもエンジニアの話で、ファンタジー色のない日本の話だったとは意外だった。
日本は貧乏な国で、後進的な技術しか持ち合わせていないという頃の話。
これからは自分たちの力でよくなっていくんだ!という、復興の頃のような覇気を感じる。
夢の中で人を運ぶための飛行機を作っているカプローニという設計士に励まされながら、
着実にその夢を追いかけていくが、戦争の頃ということで、飛行機はまず戦争に使われてしまう。
それでも自分の夢を追いかけることができるのが幸せというのが羨ましい。
後半は菜穂子という女性との恋愛の話も加わってくる。
二郎が素直にあっさりと好きだと告白し、あっさりと結婚するところが、なんかエンジニアだなぁと。
結核というまるで小説のヒロインのような理由だけど、当時はよくあったのかな。
戦争については飛行機を通じてしか描かれてなかったのに、結核のせいで最後は切なかった。
大人向けのジブリ作品としてはすごいわかりやすい話だったし、よかった。
映画館で見てたのだが、前の席の子どもは飽きてしまっていて、飛行機だけに反応してた。
気に入らなかったのは、タバコのシーンと二郎の声かな。。
あそこでタバコ吸っちゃダメでしょーと・・・
でもやっぱり、ラピュタとトトロが好きだな。
あと見てない宮崎駿のアニメ映画は、ポニョだけか。
アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち
離婚して夫側に引き取られた息子ディランの結婚式に参加するため、久々に再開する2つの家族。
元夫ポールの新しい家庭は、美人だが超目立ちたがり屋の妻パティが仕切る刺々しい家庭。
妻リンは、長女アンナは自傷行為を続け、息子エリオットはドラッグ中毒で手のつけようがない。
顔を合わせて上手く行くわけもなく、ぶつかり合う。
宣伝文句にはシニカルかつユーモラスと書いてあったが、全然ユーモラスではなかった。
元夫ポールは離婚の原因を新しい妻にも明かしていなかったらしく、
新しい妻パティはリンが悪いと思いこみ、自分が母親として正しい姿だとひけらかす無神経なヤツ。
リン自身は元夫ポールを異常に怖がり、そのため子ども達にも過保護かなと思えるくらい神経質。
でもその原因がDVだったなら仕方ないかなとも思う。
で、ある意味主人公なのが、ドラッグ中毒の息子エリオット。
モルヒネの80倍(?)という劇薬にも手をつけてしまい、失神することで現実逃避を続ける。
幸せなことが家族の絆を深めるのではなく、悲劇が絆を強める、というエリオットの台詞。
これがこの映画の全てだと思う。
ディランの結婚を祝う気持ちがある人が、この家族・親戚の中にどれだけいるだろう。
結婚式により、一生会いたくなかった人に再び会わなければならないことの不幸のほうが大きいだろう。
会いたくないなら冷戦状態になればまだよかったかもしれないが、直接ぶつかり合うのがこの2家族。
親戚も噂好きで火に油を注ぐタイプの人ばかりだし、できれば会いたくない。
ただただ辛い日常を描いている。