僕等がいた
高校でクラス替えがあって、七美は屋上で偶然会ったモテ男の矢野と付き合うことに。
何不自由ないように見えていた矢野には、元カノの問題や家族の問題があった。
前篇が高校時代の出会い、後篇が卒業後にポツポツ連絡を取ってるところ。
若々しくて明るいところがあった前篇のほうが、おもしろかったな。
後篇は、明るいノリはなく、社会に出て現実と向き合わなければならなくなった姿。
名字呼び捨てってのが、青春だなーって、懐かしかった。
私の場合は、高校のときはあだ名で、大学のときが名字呼び捨てが多かった気がするけど、
どっちにしても、社会に出たらそんなことはないわけで、懐かしいのだ。
卒業してしまうと、一気にそれぞれの道に進んじゃって、それまでの関係が一気に薄れる。
それは仕方のないことではあるけど、その感覚すら懐かしい。
高校を卒業したときに見ると良さそう。
苦役列車
中卒で日雇い労働者として生きる19歳の北町貫多。
仕事先で出会った同い年の正二と初めて友達になるが、根が曲がってる貫多。
彼とも次第にすれ違い、恋愛もうまくいかず、どんどん腐っていく。
西村賢太の芥川賞受賞小説を映画化したもの。
ちなみに、小説は読んでない。
Wikipedia を読んだところ、原作とはちょっとイメージが違うっぽい。
受賞のときに風俗がどうとか言ってたけど、そんな感じの内容。
日雇い労働して、風俗に行って、たまに本を買って読む。
それだけの生活をしている貫多。
率直に、日雇い労働であっても毎日働いているのなら、家賃は払えるんじゃないか?と思う。
酒とタバコと風俗をやめればいいのに、そんな気配はまるでなく、他人に迷惑をかけることを当然とし、
それを全部、自分が中卒であるせいだと思っている。
まじめに働いて、倉庫番見習いになったこともあったのに、また転落してしまうし。
「友ナシ、金ナシ、女ナシ。この愛すべき、ろくでナシ」というキャッチコピーがついているが、
残念ながら、愛すべき点がひとつも見つからなかった。
せめて人を大切にする心とか、そういうのが描かれていれば共感できただろうになー。
あなたへ
定年後も刑務所管として働く倉島は、妻の洋子を亡くした。
妻が生前に書いていた絵葉書を受け取り、そこに書かれていた、故郷の海に散骨して欲しいという願いを叶えるため、
妻との約束だったキャンピングカーで妻の故郷に向けて旅立つ。
最後の最後に、なんで?という気持ちが残ってしまったのが残念。
あとは、役者が豪華すぎて、ちょっと引く。
ちょい役でこの人が出るか?ってのがたくさんあって、そこに注目してしまうが、ホントにちょい役だったりして。
高倉健の口数少ない感じが、日本だなーって。
日本をドライブして回るのも、たくさんのキレイな景色に出会えそうでいいな。
田舎の人の優しさとか (・・・まぁこれは日本だけじゃないけど)、いいなって染みる。
新しい靴を買わなくちゃ
妹に連れられてパリにやってきた兄・セン。
一人で行動したかった妹に街中に置いていかれ、パリ在住のアオイと出会う。
センとアオイは意気投合し、滞在時間のほとんどを一緒に過ごす。
女性向きの映画だと思う。
センはカッコいいし、パリの街はおしゃれだし。
きっと旅に出る前に見ると、期待が膨らむのではないだろうか。
旅先でこんな素敵な出会いがあったらいいなって。
実際、パスポートを破られる事だってあるだろうし、現地の人と仲良くなることもあるだろう。
そんなちょっとしたリアリティが素敵だなって思わせてくれる。
実際は、現地の人と会うことのほうが多いだろうし、それだと意思疎通は難しそうだし、
なんたって向井理だからこそ絵になっているような気がするのだ。
普通の人だったら、パリの絵に溶け込める気がしない^^;
すっごい盛り上がりがあるわけではないけど、
静かに浸っていられるし、いいなー、旅に出たいなーって思う。
けっこう好き。
To Rome With Love
途中で寝てしまったので、あまり覚えていないが、
なんとなく、世にも奇妙な物語のような、不思議な経験を集めたものかな?
突然有名人になって町中の人にパパラッチされる人や、
売れるためにステージ上でシャワーを浴びながらオペラを歌う人など。
よくわからなかったけど、不思議な世界観に浸りたい人にはいいんじゃないだろうか。
鍵泥棒のメソッド
ボロアパート暮らしの売れない役者・桜井は、あまりの貧乏生活に自殺を考えるほど。
あるとき、銭湯で頭を打って意識を失ったコンドウの荷物を持ち去り、コンドウとして生きることを考える。
都合よくコンドウは記憶をなくしていたが、実はコンドウは殺しの依頼を受ける便利屋だった。
生きてる人間同士が入れ替わるって、そりゃ難しいよな~。
あまりにムリヤリな流れだったりするけど、コメディとして見ればOKか。
桜井のあまりにダメなところと、コンドウがなかなか几帳面で努力家ってところが、対照的。
貧乏暮らしをしている人って不器用なんだろうなーとか思ってしまう。
自分が苦手なことに取り組むのが好きというか・・・
ついでに、器用に何でもできる人ってのは、いくら貧乏でも好転するんだろうなって。
で、気になったのは、香苗という女性。
結婚すると決めてから、まるで仕事をこなすかのように相手を探す彼女。
なぜ気になったかというと、あまり私のことを知らない人には、
もしかしてああいう風に見られてるんじゃないか?って思ってしまったから。
まぁいいや。
あんな人じゃないよ。
情けない人間のドタバタコメディ。
電気ヒーター
寒波に耐えられず、電気ヒーターを購入。
中国製、2980円也。
安物なだけに、温風力は弱い。
どうしても寒くてしょうがないときに、部分的に暖まれる程度。
一応、温度と風力を調節することはできるが、
風力を弱(400W)にすると、周囲に吹く冷風が気になる。
おそらく風を出すために空気を吸い込んでいるところ。
強(800W)だと、暖かい気がする。
まぁ緊急的な用途としては、これでいいだろう。
しばらくこれで耐え忍ぼう。
と思ったが、店で試した時より、温風が弱い。
全然ダメだ、これ。
—–
と思ったが、しばらく使ってたら、暖かく感じるようになった。
音がうるさいので、テレビの音量を2つぐらい上げないといけないのが難点。
天地明察
碁打ち師の算哲は算術が趣味で、神社に掲げられる設問を解くことを楽しんでいた。
ある時、日本各地の測量の旅に連れていかれ、そこで測量の楽しさや、暦が正しくないことを知る。
帰ってきてから、新しい暦を作るプロジェクトに任命され、暦の研究に没頭する。
見ていてものすごくワクワクした。
算哲の目が輝いているし、他の仲間も皆楽しそう。
天文観測と算術を正確に結びつけたのが暦。
どちらか片方だけではいけない。
なぜ存在するものの中に正解があると思ってしまうのか、無いものを作らないといけない、というのは響いた。
新しいものに飛び付いていたって、所詮それは今あるもの。
正解が世の中に存在しないという可能性を考えることは重要だ。
結果が正しいかどうかのアピールもすごいし、そこに向かう覚悟もすごい。
また、権力と闘う様子なんかは、完全に現代でもよくありそうなことだ。
自分も何かしなきゃ、と、ちょっと焦ってくるくらい、良かった。
ダークシャドウ
魔女に愛されてしまったが、別の女性を好きになったバートン。
魔女に恨まれ、彼女を殺されてしまい、自分もあとを追う。
しかし魔女にバンパイアにされてしまったため死ぬことができず、棺桶に閉じ込められたが、200年後の世界で蘇る。
バンパイアの飄々とした感じが、ジョニー・デップと合ってて、楽しかった。
ホーンデッドマンションの気分。
好きな女性のために現代になじもうとしたり、クスッと笑えるところがたくさん。
ぼくたちのムッシュ・ラザール
小学校の教室で、担任の先生が首吊り自殺をし、登校した少年シモンが見てしまった。
彼は先生に嘘をついて困らせていたので、自分のせいじゃないかと悩みながらも、攻撃的な行動が続く。
そこに新しい先生バシールがやってきたが、アルジェリア人の彼もまた、悲しい過去を持っていた。
人の死にどう向き合うか、というだけではなくて、いじめや教育など、学校はいろいろな問題を持っている。
カウンセラーがカウンセリングすれば済むのか?というのも疑問だし、
だからといって、積極的に話すことで癒されていくとも思えない。
そんな中で、バシールは自己流の授業をして、生徒の話にもきちんと耳を傾ける。
飄々とした姿勢の彼にも、大きな悩みと大きな悲しみがある。
カナダの永住権を持っていると嘘をついたが、まだその段階にはいなかったのだ。
子ども達が先生の死を乗り越えてハッピーになったというような話ではない。
きっと一生トラウマが残ってしまう生徒だっているだろう。
ただ直後にバシールが来たことで、少しは気が紛れたりしたのではないだろうか。
解決なんてないけど、それでもバシールと子ども達が向き合う話。