ヒア アフター
恋人と一緒に東南アジアを旅行していたマリーは、突然大津波に襲われ、命を落としかける。
そのときに見た光景が忘れられず、帰国後も仕事に身が入らない。
霊能者のジョージは、死者と話す仕事に嫌気が差して辞めたが、お金好きな兄にやらされる。
一卵性双生児の少年マーカスとジェイソンも、死に直面することになる。
最初、津波のシーンで心が痛んだ。
東日本大震災があって公開を中止したということだが、まだまだ痛む。
あんな濁流に飲まれたら、命があることが奇跡としか言えない。
本当の津波はもっと泥で濁ってもっとたくさんの物が流されていたことだろう。
3つの話が交互に進むので、最初はついていくのが大変だった。
その3つが交差するのが、「死後の世界」について。
一度命を落とすと、死後の世界が見えるようになる。
そういった点ではついこの前見た『オー!マイ・ゴースト』と同じ設定。
ただこっちはコメディではなくて、シリアスなほう。
体験しないと死後の世界が見えるかどうかなんてわからないけど、
死者に会いたいから霊能者という商売があるんだろう。
そういう点では、マーカス君の霊能者めぐりがおもしろかった。
世の中にいる霊能者ってあんな感じのが多いんだろうね。
クリント・イーストウッド監督の作品は感動モノが多かったが、
これは感動というよりは、宗教観とか輪廻とか、そういうものへの不思議な感じのほうが強いかな。
HEREAFTER は来世という意味の英語。
ヒアアフターを Hear After かと思って、後を聞く?とか思ってたが違った。
僕たちのバイシクル・ロード
イギリスの青年、従兄弟同士のジェイミーとベン。
大学を卒業してから、いわゆる普通のサラリーマン生活は送りたくないと、
自転車で世界一周する旅に出る。
いいなーって。
自転車で世界一周というよりは、空路を使わずに地球を一周して、
その間に7大陸全てで自転車に乗る、というのがテーマかな。
南極大陸でも自転車に乗ってた^^
もちろん海は船を使って渡るし、モスクワからモンゴルまではシベリア鉄道に乗ってるから、
全部が全部自転車の旅じゃないけど、ちゃんとそう描かれているのがいいね。
入国審査とかどうしてるんだろ?ってのが疑問で、結局語られもしなかったけど、
なんかそういうこともあんまり気にせずに気楽に出かけちゃう若さがイイ。
自転車がパンクするとか、怪我とか病気とか、もちろんいろいろあるけど、
二人がケンカしたり言い合いしたりすることなく、平和に過ぎていく。
だから、時間と根性さえあればどうにかなるんだなって元気づけられる。
途中でお金がなくなったときに、ブログを本の形でプリントアウトして売ってた。
芸術系の学生だったってことでそういうのがパッと出てきたんだろうなって、うらやましかった。
あとは日々キャンプで過ごしてるときとか、男ってラクそうだなってのも、うらやましかった。
冒頭で、安定したキャリアを築くか、冒険の旅に出るか、という話を聞いていて、
今は就職したって安定した生活なんか得られないという意識が強いせいか、
その選択肢がちょっと意外に思えてしまった。
あれだけの大冒険をしたら、その後の人生は確実にそれまでと違う物の見方になるんだろうな。
何が起きても何とかなる!って思えるよな、きっと。
そんな人生は強そうだ。