辞めて生きる技術
辞めて生きる技術
フリーエージェント時代のサバイバル・ツール
著: 藤井孝一
会社に雇われていても、不安は尽きないのが現代のサラリーマン。
会社が倒産するかもしれない、不況や海外移転により人員削減されるかもしれない、
ある日突然収入源が無くなるかもしれないという不安が付きまとう。
さらに、東日本大震災を経て、絆を大事にしたくなった人が増えた。
仕事だけして高収入を得る生き方をしたいのか?と疑問を持っている。
さらに、今は仕事だけしても、それほど高収入は得られなくなっている現実もある。
こういった不安感や危機感や疑問を持った人を対象にした本。
まさに私がよく書いている焦りと、同じ感情。
もともと週末起業を謳っている著者なので、ベースは働きながら週末にできることをやるということ。
だけど、最近は先ほど書いたような状況なので、優雅に週末起業というよりは、
必要に迫られて仕方なく・・・という人が多いということで、そっち向けに書かれている。
起業なんて仰々しいものじゃなくて、自分と家族が生活していける収入源を得るという視点だ。
実際にすべきこととしては、以前読んだ『ノマドライフ』『フリーで働くと決めたら読む本』と似てる。
ただ、それらよりは今の世の中の暗さを反映してある点で、身近に感じる。
なんというか、楽天家じゃなくても、必要に迫られたら動けるかな?って思えてくる感じ。
やっぱり、ポータブルな技術が自分の中にあること、それが全て。
さーて、自分の中には何があるんだ?
マルタのやさしい刺繍
村中みんな知り合いみたいな狭い人間関係の村で、
夫を亡くしたマルタは人生に生きがいを見出せずにいたが、
昔の趣味だったランジェリー作りを思い出し、店を開こうと思い立つ。
夢を追いかけようとすると、そんなバカなことはするなと言われる。
ランジェリーショップというと、いやらしい、いかがわしい店だと思われる。
そんな新しいものを拒み、世間体ばかりを気にする閉鎖的な村。
きっと若者は、こんな村出てってやる!って思うんだろう。
マルタの友だちも、みんながランジェリーショップに賛成というわけではない。
世間体を気にして仲間から外れていく人もいる。
息子だって息子の友だちだって反対してバカにしてくるし、作品を捨てたりしてくる。
そんな逆境の中で、どんどん作品作りに夢中になっていくマルタ。
没頭できる趣味があるって、なんて素晴らしいことだろう。
最初は一歩引いてた友だちも、自動車免許を取りに行ったり、
パソコンの使い方を習ってみたりと、それぞれ新しいことにチャレンジしていく。
その一歩踏み出す勇気を与えたのが、マルタ。
こういう新しいものへ取り組むのが、若者発信じゃないのがイイ。
歳をとって新しいことにチャレンジできる人ってチャーミング。
新しいものに取り組める感覚って、年齢と共に変わるかもしれないけど、
経験を重ねてきたご老人こそ、柔軟性の大切さを理解しているのかもしれない。
やりたいことをやれる幸せを改めて教えてくれる。
やりたいことを持っていることが羨ましくて、自分にとって夢中になれるものって何だろ?って考える。