ガタカ
遺伝子操作で最良の子どもばかりが選択されて生まれる時代。
その操作なしで愛の結晶として生まれた子は
遺伝子的に不適合者というレッテルを貼られてしまい、
能力があっても宇宙飛行士になれない。
努力してもダメなものがある・・・という時代。
この設定で劣等感にさいなまされながら生きる姿に
ずっとしかめっつらでマジメな顔して見入ってしまった。
劣等感を拭うための努力、追いつけない自分。。
そこで他人の遺伝子をもらって、
偽装してまで宇宙飛行士になることを選ぶ。
遺伝子をもらうと言っても、その方法は未来映画っぽくなくて
体ごと入れ替えるかと思ってたのに
頭髪や血液や尿をわけてもらって検査のときにすりかえるだけ。
そんなすぐバレる方法を使ってまで他人になりすましたいのか?
そんなことをしてまでやり遂げたいことは何?
ん~でも、そこまでして打ち込めるものがあるのは幸せなことだ。
明るく幸せな未来に向かった夢ってんじゃなくて、
劣等感から逃げるための手段にしか見えないのが悲しいところだが。
とりあえず抑圧された環境から抜け出すキッカケになったのは
捨て身の覚悟で勝った弟との水泳対決。
努力と覚悟で勝つことができて、進んだ道が詐欺。
詐欺というか、遺伝子時代への抵抗。
遺伝子的には変えられなくても、能力や体力は努力で追いつける。
要は、そこまでして追いかけたい夢があるかどうかだ。
努力をしても変えられないツライ現実。
できれば、他人も自分もだまさずに、
夢に向かうことができていたなら、それがベスト。
それができない時代ならば、時代を変えるか、時代に逆らうか。
平和に生きる道はなさそうだ。